法テラスポータルはSECUREMATRIXを廃止するべき©️2024川口崇弁護士
□法テラスポータルについて
「法テラスポータル」は、2023年10月に開始されました。
日弁連会員ページによれば、2023年10月18日に開始案内。
「法テラスポータル」の運用開始について(日弁連)
令和5年10月18日「法テラスポータルの利用について(案内)」日本司法支援センター
現状では、FAX(受信だけ)の代替になるに過ぎません。
将来、送信機能が搭載されると聞くので、多くの弁護士は、
正直いって、それから登録しても遅くはないように思います。
1.SECUREMATRIXの不便さ
筆者も、2024年1月に利用登録をしましたが、
SECUREMATRIXのせいで非常にログインしにくいです。
現状では、FAX受信の方が使い勝手が良いレベルです。
※法テラスポータルの使いにくさは、阿部茂先生の記事が詳しい。
直ちにSECUREMATRIXを廃止するべきです。
必要に応じてSMS認証を求めれば、必要十分です。
決められたマスの数字を入れる認証は、
ユーザー(弁護士)に不便でわかりにくく、
たいしてセキュリティを上げる効果もありません。
銀行アプリさえ、この種の認証を卒業しています。
(銀行アプリの方がより重要な個人情報を扱うのに。)
※法テラスの書面は、主に、報酬の算定金額等の情報を送付してくるだけです。
SECUREMATRIXはセキュリティとして過剰でしょう。
(初出時「依頼者や被疑者被告人の氏名さえ表示しません。」と記載しましたが、
算定結果通知書の左上欄に氏名の記載があるため事実誤認でした。
ただし、氏名を守るにしても、ID+パスワード認証で十分だと考えます。)
2025年1月には、パターンを変更するように要求されました。
1年毎に、パターンを変えなければならないようです。
※覚えられないので、新パターンのスクリーンショットを撮影しました。
SECURE MATRIXの有効期限について
日付:2024/12/10
ログイン時のパスワード認証「SECURE MATRIX」に関して、設定したパスワード(パターン)の有効期限は1年です。
SECUREMATRIXのログイン画面上、「PW残り〇日」の表示がされましたら、「よくあるお問合せ(Q&A)」内、Q1-9を参考に、パスワード(パターン)の変更をお願いいたします。
※変更後は従前のパスワード(パターン)は使用できませんのでご注意ください。
なお、有効期限切れに伴いアタックロックとなってしまった場合は、法テラスで初期パスワードへのリセット処理いたします。
法テラスポータル事務担当「●●●●@houterasu.or.jp」までご連絡ください。
※お手元に利用開始時に送付した初期パスワード等の通知がない場合、改めて郵送いたしますので併せてご記載ください。
新しいパターンを2回いれて、パターンを変更のうえで、
正しいパターンを入力して、PC登録のうえ、
IDとパスワードでログインをしなければなりません。
この作業を、高齢者を含む弁護士に要求するのでしょうか。
法テラスが要求するセキュリティは、現実的ではないと感じます。
2.2024年の法テラスポータル障害の発生
2024年6月頃には、法テラスポータルのシステム障害が発生。
「通知文書を発信しました。」メールは来るのに、
システムにログインができない状態が続きました。(約2ヶ月)
![]() |
法テラスポータルの障害に伴う暫定対応について(令和6年6月13日) |
2024年7月30日【重要】法テラスポータルの運用再開について
(URLは6月3日。障害情報は上書きで消された模様。)
2024年8月1日から法テラスポータルが再開しました。
※2025年1月現在では、障害情報自体が抹消されてしまった。
これでは、障害情報の「隠蔽」と言われても仕方がありません。
@インターネットアーカイブの障害復帰情報(保存)
3.ファイル名の日本語エンコードエラーと対策
筆者は、2ヶ月分のデータをダウンロードしてみたところ、
PDFファイル名がエンコードされたまま(文字化け)で困りました。
□デコードできないファイル名の例。
正:報酬通知書_被疑者(通常)_20240917000000000.pdf
デコード失敗:%e5%a0%b1%e9%85%ac%e9%80%9a%e7%9f%a5%e6%9b%b8%ef%bc%bf%e8%a2%ab%e7%96%91%e8%80%85%ef%bc%88%e9%80%9a%e5%b8%b8%ef%bc%89_20240917000000000.pdf
正:送金通知書_20240917000000000.pdf
デコード失敗:
%e9%80%81%e9%87%91%e9%80%9a%e7%9f%a5%e6%9b%b8_20240917000000000.pdf
![]() |
上はChromeでダウンロードしたPDF。 下はFirefoxでダウンロードしたPDF。 |
SECUREMATRIXの再ログインを乗り越えて、
Firefoxを使ったところ、
日本語にデコードされたPDFをダウンロードできた。
FirefoxではPDF表示状態でCtrl+SでPDFを保存できる。
筆者の場合、Google Scholar PDF Readerが原因でした。
ただし、Chrome拡張が原因ではない日本語デコードエラーもあると推測されます。
※阿部茂先生の記事でも、デコードの不具合が指摘されています。
文書を閲覧して、ダウンロードボタンを押して、ようやく保存することができます。しかし、ファイル名がURLエンコードされたままです。おそらく日本語でファイル名が付けられているのですが、URLエンコードされているので、そのままでは名前がサッパリ分かりません。コードのパターンを見ると、おそらくSJISです。Windows環境で作ったファイルを、そのまま突っ込んでいるだけのように思われます。サーバーが何で動いているのか分かりませんが、ファイル名がUTF-8になっていないので、デコードせず、そのままになっているのでしょう。
ちなみに、法テラスは、
「ExcelCreator 2016」を使っているようです。
アップされるPDFデータの不具合は、
このへんのデータ管理にあるのかもしれません。